世界に誇る多色摺り木版画の技術
江戸時代の浮世絵(錦絵)は、一人の画家が描くのではなく、
版元を中心とした高度な分業体制(版元・絵師・彫師・摺師)によって制作されていました。
この「四者協業」こそが、世界に類を見ない高品質な多色摺り木版画を生み出したのです。
企画立案から資金調達、絵師・職人の選定、検閲の手続き、そして販売までを一手に担う総責任者。 蔦屋重三郎などが有名。市場の流行を読み、ヒット作を生み出す仕掛け人でした。
版元の依頼を受け、下絵(版下絵)を描きます。 墨一色で輪郭線を描き、色指定を行います。 完成した版下絵は彫りの工程で版木に貼られて消滅するため、絵師の直筆画は基本的に残りません。
版木(山桜などの堅い木)に版下絵を裏返しに貼り、線を彫り出します。 髪の毛一本一本(毛割り)を彫り分ける「頭彫り(かしらぼり)」など、ミクロン単位の超絶技巧が要求されました。
植物性・鉱物性の顔料を調合し、バレンを使って紙に摺り込みます。 「見当(けんとう)」という印を頼りに、何版もの色をズレなく重ね合わせる技術は神業的です。 「ぼかし」や「空摺り」などの特殊効果も摺師の腕の見せ所です。
浮世絵や美人画について、より深く学びたい方のための信頼できる情報源です。